近年、少子高齢化の影響により、お墓の後継者がいないといった問題が浮上し始めています。そこで、お墓以外での供養の仕方を考える人たちが増えてきました。それが納骨堂や永代供養墓といったものになります。しかし、この2つの違いがきちんと認識できていない人が意外にも多いようです。ここではこの2つの説明をしていきます。
納骨堂は簡単に説明すると遺骨を骨壺に納めて安置する「室内のお墓」のことを指します。安置する場所のことを総称して納骨堂と呼ぶのでまたの名を納骨殿や霊堂とも呼びます。個別に墓石を設ける必要が無いのでうまくスペースを確保でき、土地を確保することが難しい都市部で増えているのはこういった理由から来ています。日本に古く伝わる供養なので、もともとは一時的に遺骨を預ける場所だったのですが、現在では長期間の安置が出来ます。
【納骨堂】
1.遺骨は個人または夫婦単位、あるいは一家ごとに安置されること
2.仏壇のような形をした納骨スペースやロッカー式の納骨スペースなど形式はさまざまなこと
3.一定期間が過ぎると別の場所に合祀されること
4.原則として一代限り。しかし納骨スペースを子孫に受け継ぐことができるタイプの納骨堂もあること
5.年間の維持管理費がかかる所が多いこと
永代供養墓も長期間の安置が出来るのでその点では納骨堂と同じと言えるでしょう。永代供養墓は様々な理由により、お墓参りが難しい場合やお墓参りしてくれる人がいなくなった場合に、お寺などが責任持って永代にわたって供養と管理をしてくれるお墓のことを指します。お墓の「型式(type)」というよりは「形式(style)」と言えるのです。
【永代供養墓】
1.原則として子孫に引き継ぐことは無く一代限りということ。
2.はじめから他の人の遺骨と一緒に合祀されるタイプと一定期間後に合祀されるタイプがあること。
3.遺骨を納めるのは一般的には塔や記念碑などのモニュメント。中には樹木葬と称して樹木をモニュメントとするものもあること。
4. 1つの墓石の中に遺骨を納めるのが一般的であること。
5.年間の維持管理費は一般的にかからない所が多いこと。
一つの事例にはなりますが、東京都の永代供養墓「永久の会墓苑」は永代供養募でもある納骨堂を運営しています。ただ、一般的に納骨堂でも永代供養墓でも一定期間を以って合祀をすることになるので(一般的には三十三回忌、まれに十七回忌などもある)。他人の遺骨と一緒にすることに抵抗を覚える方はよく検討することが必要ですね。